シャムスカ検証記事

聖域化させてしまった部分、練習方法、人材登用のこと。他人ごとではないので、どこのクラブスタッフは肝に銘じていただきたい。木村元彦氏の寄稿記事。

トリニータシャムスカ現象を検証する【大分のスポーツ】-大分合同新聞
http://www.oita-press.co.jp/localSports/120726999419/2009_124813747298.html

(中略)
 確かにシャムスカは大恩人である。しかしそれを聖域化してしまったことで冷静な批評ができなくなっていた。弱体化の原因を、やろうとするサッカーの停滞に触れることなく、解雇された通訳の不在や、荒れた芝生といった外的要因に求めることなどで問題が矮小(わいしょう)化された。選手の体幹が弱くなり、切り返しについていけないのも、選手が走らないのも通訳のせいなのか? 揚げ句、メディアのミスリードは強化部対シャムスカという誤った構図に転換されていった。

(中略)

 ともあれ、シャムスカが大分に大きな僥倖(ぎょうこう)を残してくれたのは事実であり、すばらしい人間性であったことに代わりは無い。尊敬すればこそ、わたしは聖域化しない。パンパシによる準備不足が不安視される中、キャンプに早く入らなかった。誰もが自分に優しくなり、複数年契約とベンゲルオシムですら手に入らなかった大きなお金をもらい、慢心は無かったか?
 契約、町の優しさ、大分ほど良くしてくれるところは無いだろう。シャムスカが世界的な名将になるためにもっともっと精進してくれることを切に願う。そのためにもまずは人のせいではなく、自分の責任としてこの14連敗としっかりと向き合って欲しい。それがサッカー監督だ。