今日の各紙 7/14【浦和レッズ】

デイリースポーツonline
“エメル丼”の呪い!?浦和連敗


 今季最低の試合内容で2連敗。顔面蒼白(そうはく)の浦和イレブンに、客席からブーイングの追い打ちがかかり、DF闘莉王とにらみ合うなど不穏なムードも漂った。

 FWエメルソン抜きの攻撃陣が空転。MF鈴木が「個人個人がよくない」といえば、MF三都主も「ペースがつかめず迷いがあった」とポツリ。ブッフバルト監督は「ミスが多く、何人かは闘争心を見せていない」と爆発寸前だった。

 Jリーグには“丼ののろい”がある。かつて横浜Fが「とび丸弁当」を発売翌年に消滅。当時、柏の北嶋は「キタジ弁当」発売直後に不調に陥ったこともあった。

 浦和の犬飼社長は「何であんなふうに…。訳が分からん」と話したが、販売続行の“エメル丼ののろい”としか思えない不可思議な2連敗だった。


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 ≪嘆くギド「闘争心見せろ」≫


 浦和は柏に完敗し、03年第2ステージ13節(11月15日、清水戦0―1)14節(同22日、名古屋戦1―4)以来、20カ月ぶりの連敗を喫した。7月中に2位浮上をもくろんでいたが8位に降下。連動した守備が全くできない展開に「せめて闘争心は見せてほしかった」とブッフバルト監督も嘆いた。メディカルチェックに合格したMFポンテに加え、元クロアチア代表FWマリッチも8月12日までは登録できない。DF坪井は「エメ(エメルソン)移籍の影響はない。今いるメンバーでやれなきゃいけない」と悲壮感を漂わせた。


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J1:柏、8試合ぶりの勝利 浦和は今季初の連敗


○柏3−0浦和●

 クレーベルの2得点などで柏が8試合ぶりの勝利。ホーム試合では昨年3月13日の大分戦以来の勝ち星となった。立ち上がりから厳しい守りを見せた柏は後半に攻勢に出て、7分に左サイドからの玉田のクロスを矢野が頭で合わせて、今季初ゴールで先制。勢いに乗ってクレーベルが2点を追加して、今季最多得点で勝った。浦和はシュートがわずか7本。攻めが組み立てられず、今季初の連敗を喫した。

 ◇エース失い攻撃力半減が露呈…浦和

 攻めの浦和で、GK都築の好セーブが目立っているようでは、展開はおぼつかなかった。それまで4回も、決定的なピンチを救ってきた都築だったが、後半7分、矢野の高い打点のヘディングに対応しきれず、ついにゴールを許した。

 チームのだれもが口にはしたくないだろうが、電撃的にカタールに移籍したエメルソンが抜けた穴が、いよいよ深刻になってきた。攻撃に転じた際の的を失ったからだ。田中達が1トップ気味にパスの受け手を担ったが、密着マークに悪戦苦闘。長谷部、鈴木らMF陣がパスの出す先を探している間に、詰め寄る相手にボールを奪われては、柏のカウンターを受ける。悪循環が続いた。

 「幸運にも無失点でしのぐことができた」とブッフバルト監督はハーフタイムに話した。前半は何とか我慢していたが、後半は立ち上がりからは勢いづく柏の攻勢に試合をコントロールできなくなり、後半だけで3失点。首位争いが遠くかすむ痛い連敗となった。

 遅刻の常習犯でも試合では使われてきたエメルソンが抜けて、チーム内はすっきりした雰囲気である。ただ、試合が始まれば、やはり絶対的なエースを失い攻撃力が半減したことが露呈された。チームは補強を計画しているが、いずれにせよ新戦力がなじむまでには時間がかかる。この7月の連戦での傷口を最小限にとどめ、再び中断期間に逃げ込みたいのが本音だろう。【小坂大】

 ◇柏、早野監督「これで自信を」

 先制点を挙げた殊勲の矢野は「こんなに気持ちいい瞬間は久しぶり」と21歳の若者らしい笑顔をほころばせた。早野監督は「あまりにも久しぶりなので、喜びがすぐにわいてこない」と実感なさげ。今季3勝目で、23試合ぶりの主催試合での勝利に、あまりに遠ざかっていた美酒に表情はさまざまだった。

 再開後から浮上の気配はつかんでいた。これまではクールに映った集団に、がむしゃらさが出てきたのだ。この日も立ち上がりから厳しい守りで浦和を圧倒し、こぼれ球への出足も鋭かった。

 しかし、勝っていないチームの悲しさで、前半はボール支配率で上回っても慎重な展開。早野監督に「どんどん行け」と鼓舞された後半は恐れずに前に出て、矢野のゴールで吹っ切れたようにたたみかけた。

 普段は無口なエース玉田も「細かいことを積み重ねていけば勝てると分かった」とさすがにうれしそう。必死に勝ちを求める中で、つかんだものは大きい。早野監督も「これで自信を持ってくれれば」と祈るような思いを込めていた。【小坂大】

 ○…ハーフタイムの柏・早野監督の指示は「どんどん行け」。後半立ち上がりから見事な攻勢をかけた柏は、今季最多の3得点で会心の勝利を挙げた。殊勲は21歳の矢野。闘莉王のしつこいマークに苦しんでいたが、後半7分は完ぺきに競り勝って、3試合連続の先発起用に応えた。矢野は「久しぶりのゴールだったのでうれしかった」。浮上のきっかけとなりそうな試合となった。

 ○…浦和のブッフバルト監督は、敗戦を「妥当な結果だった」と、淡々と振り返った。1トップ気味の田中達が厳しい守りで抑えられると、攻撃の的を失い、中盤がパスミスを連発。浦和らしい速い攻めは見られなかった。だれもが敗戦の理由にはしないが、退団が決まったエメルソンの穴は深刻。ブッフバルト監督も「新しいFWを探しているし、新しいMFもまだ合流できない」と新戦力が待ち遠しい様子だった。


浦和、沈黙 まさかの3失点
J1第16節


もう負けられない
長谷部


 労を惜しまずに動き回り、縦、横へのスルーパスで局面打開を図ったが、ゴールに結び付けることができなかった。自身の放ったシュートも前半の1本だけ。「プレスを掛けられてパスを回してばかり。球際や気持ちの面で負けていた」と完敗の内容に表情は厳しい。

 後半、押し込まれ続けて3失点した以上に、前節の大宮戦と同じように試合の入り方が悪かった。出足の一歩で負け、ボールに対する執着心に欠けた印象だった。「都築さんのセーブで無失点でしのいでいたけど、自分たちのプレーが全くできなかった。リズムをつくれなかった」と冷静に振り返る。

 今季初の2連敗。チームが掲げていた7月の6連戦で2位浮上という目標に達しなくなってしまった。「負け方が良くない。うちはそんなに強いチームではないし、全体で話し合っていく必要がある。もう負けられない」と並々ならぬ決意をのぞかせていた。

ファイトあふれるプレーでアピール
西谷


 0―2の後半29分、田中と交代して出場した。44分には惜しいヘディングシュート。「監督からは特に指示はなかったが、とにかく達也(田中)と同じような動きをしようと心掛けた」と振り返った。

 リーグ第14節の東京V戦でも後半途中からピッチに入った。短い時間で試合の流れに乗り、結果を出すのはなかなか難しいが、ファイトあふれるプレーでアピールしている。「今日はボールの受け手と出し手の関係がうまくいかなかった。自分も役割を果たせなかった」と冷静だった。

気合を入れ直し「やるしかない」
坪井


 3失点して敗れたのは今季初。カバーリングなど3バックの連係面に課題を残した。さすがにショックは隠し切れず、「いい時ばかりとは限らないが、本当に悔しい。昨年のようないい守備からのいい攻撃がイメージできなかった」とうつむいた。

 後半19分の2失点目は、大谷の右クロスを頭でクリアしきれなかった。「3失点はチーム全体の問題。全般的にコンパクトでなかった」と冷静に評する。「順位うんぬんより、切り替えていくしかないし、やるしかない」と気合を入れ直していた。

 ▼鈴木が出場停止
 浦和のMF鈴木啓太は13日の柏戦で警告累積が4度となり、次節は出場できない。




河野正のフリーキック
闘争心見えず ミス連発
2005.7.13 J1第16節 vs.柏


 1本のパスが通わない。守備の背後を奪うというか、奪おうとするパスが1本も出ない。2トップにくさびの球を入れても懐に収まらない。ならばと仕方なく外にはたくのだが、外に回すという行為に過ぎない。サイドアタックって何? 破れかぶれの攻撃ばかりで、柏の守備が乱れたのはただの1度もなかった。

 三都主は「チームが一体になってないよ。チームとして友達として、みんなでやろうとしてない」と今の浦和の欠陥を摘出した。

 それもそうだが、「やられたらやり返す。この気持ちが足りない」と言った岡野の言葉を支持する。浦和よ、もっと戦え。