20050718 広島戦 データ・インタビューなど【浦和レッズ】

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J1公式戦:浦和 対 広島 2005/07/18 21:50更新
◇18日19時4分◇埼玉スタジアム2002◇35658◇晴れ◇全面良芝、乾燥◇柏原(主)、八木、相楽、鈴木

浦和 (7勝5敗5分) 2 −0 広島 (6勝4敗7分)
56% ボール支配率▼ 44%
シュート
24 合計 10

■山田 (2) ■長谷部 (3) ■堀之内 (2) 警告 ■李 (2) ■池田 (2) ■小村 (2)


【J1:第17節】浦和 vs 広島:ブッフバルト監督(浦和)記者会見コメント [ J's GOAL ]
7月18日(月) 2005 J1リーグ戦 第17節
浦和 2 - 0 広島 (19:04/埼玉/35,658人)
得点者:'21 田中マルクス闘莉王(浦和)、'55 田中達也(浦和)

レイソル戦の敗戦から選手が回答を出してくれた。試合開始から気合を前面に出して戦ってくれた。広島にスペースを与えず、対人プレーでも負けていなかった。選手全員を褒めてあげたい。今日は我々の出来がすばらしかった」

Q:長谷部をトップ下にして、内舘と酒井をボランチに使った意図と評価は?
「大きな理由は鈴木が出場停止だったこと。これまでトップ下で使っていた山田に疲労が見えたので、これまでDFだった内舘をボランチに上げ、長谷部をトップ下に上げた。内舘は運動量が多く、どのポジションでもいいプレーを見せてくれる。長谷部も21歳ながらどのポジションで起用されてもすばらしいプレーを見せてくれる。代表に呼ばれてもおかしくない選手だと思う」

Q:先制点を奪ったことによる心理的影響が、大きかったのではないか?
「やはり先制点は大切。先制することで選手に自信が生まれるし、相手はそれによって攻撃的にならざるを得なくなる。その結果、スペースが生まれ、スペースを突くことができるようになる。今月3日の新潟戦では先制されながら逆転で勝つことができたが、体力的な面は相当に違う」

Q:シーズン前に山瀬、途中にエメルソンとアルパイを放出したが、今後のチーム作りをどう考えているのか?
「山瀬にはどうしても残留してほしかった。アルパイはプレースタイルが日本で合わなかったので仕方なかった。エメルソンは休暇から戻ってこなかった。大切な選手を失ってしまったのは事実だ。しかしポンテを補強することができ、山瀬のポジションは埋まる。FWについては近日中に決めたい。DFについては闘莉王、坪井、内舘、ネネ、堀之内がいるから、彼らで十分やっていける」


【J1:第17節】浦和 vs 広島:小野剛監督(広島)記者会見コメント [ J's GOAL ]

小野剛監督(広島):

「赤で染まったスタジアムの中に集まった我々のサポーターのために勝ち点3を取りに行こうとしたが、残念ながら完敗してしまった。前半はセットプレーからのちょっとしたミスで失点してしまった。向こうの立ち上がりは、引いて守りボールが入ったところでカウンターを仕掛けようという意図だったが、こちらのボールの動かし方をもっと考えていくべきだった。
体力的にも優位に立てたはずだったが、ボールの動かし方が弱気になってしまった。局面局面で相手が勝っていた。でも選手は最後までがんばった。次はホームだし、コンディションを整えて、勝ち点3を取れるように頑張りたい」

Q:前半戦を6位で折り返した感想は?
「今日はとにかく勝ち点3がほしかった。そうすればまずまずの前半戦といえたが、夏の暑さや疲労などを克服するのはそう簡単ではない。カベは多い。でもいくつかの手ごたえはあったし、徐々に自分たちのサッカーを築き上げつつある。そういう試合を少しでも多くしたい」

Q:失点の後、広島らしい粘りが感じられなかったが?
「疲れが関係ないとはいえないが、それに原因を求めると先がない。1対1の局面で負けていたのがゲームを難しくした。0-0で持っていきガウボンやベットを入れてからが勝負だと思っていたが、その前に失点し、レッズにとってやりやすい試合になってしまった」

Q:ボール回しが弱気になったというのは?
「受け手と出し手の両方に問題がある。丁寧にボールを取られないようにしたいと思いが強すぎたり、1本の崩すパスに頼ったりしていた。いい時の広島は2枚目、3枚目の絵が描けているのに、今日は向こうの張っている網にはまった」

Q:ブラジル人2人を温存したゲームプランが失敗だったのでは?
「どう出るかはわからない。前半出した前線の3人が守備をしっかりやってくれれば、前半はいけるかなというプランはあったが、裏目に出てしまった。しかしガウボンとベットはフルでいくにはダメだろうという判断だった。どう使った方がよかったかはわからない」

Q:7月の連戦は1勝2分2敗という結果だが?
「苦しい試合の連続になると思ったが、もう少し勝ち点を取りたかった。ホームに帰って必ず勝ち点を取って中断明けに備えたい」


【J1:第17節】浦和 vs 広島:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]

田中マルクス闘莉王選手(浦和)
「とりあえず今日は守備の修正をした。行くべきところと行かないところをはっきりさせた。ムダ走りをすると後半になってから持たない。でも走らないとやられる。そのあたりの判断がよかったし、結果が出たと思う。
前節はまずい試合だった。気持ちを切り替えて、勝ち点3を取りたかった。
 (得点シーンは)アレックスが良いボールを上げてきたので、信じて突っ込んだら、ゴールできた。
 サポーターのためにも完封したかった。
 (今日、ジーコ監督が視察にきていましたが)その事は知らないし、(代表召集は)期待していない。
 次のエスパルスも守りの堅いチーム。勝って浦和に戻りたい。
 今日は先制点がすごく大事だった。いい時間帯に取れたし、後半に向けて気持ちの入ったプレーをしたんでよかった。
 レイソル戦では自分の上に乗っかられて対処が遅れて失点してしまった。自分のミスだったし、今日はどうにか取り返してやろうと思った。勝ち点3を取りたかった。今日はチームが勝てたんで非常によかった」

田中達也選手(浦和)
「チームとして勝てたのが嬉しい。チーム一丸となって勝つことができた。
エスパルス戦は折り返しの1戦目。勝って、首位との差を縮めたい。
(残りは)全部勝つつもりで、勝ち点3を積み上げていきたい。
 メンバーが変わったけど、特に役割は変わっていない。誰かが点を取らなきゃいけなかった。レッズは組織的に守って攻めているんで、誰が点を取ってもよかった。まず勝つことを考えて戦ったつもり。2点目のシーンは酒井さんからいいボールが来た。普段から練習試合でああいう形はやっている。点を取ったこともうれしかったけど、内容もよく、コンパクトにできた。サイドを使った攻撃もできたし、2連敗の教訓を生かしたサッカーができたと思う。今日はやるべきことをしっかりと確認したのがよかった。意思統一を図ったことがいちばん大きい。満足できる内容だったから、この感覚を忘れないようにしたい」

都築龍太選手(浦和)
「2試合連続でウチのサッカーができなかったけど、今日はレッズらしいサッカーができた。守備陣もゼロで抑えられたのが大きい。サッカーというのは負けることもある。いかに切り替えるかが大事。優勝を狙ううえで2連敗は痛かったし、取りこぼしを取り返す必要があった。この前の試合からの間隔が短かったのが逆によかったのかもしれない。嫌な気持ちを引きずらなかったのがよかった」
まずは守りからと思った。最初から、気の入ったプレーが全員できていた。
チーム全体としては、できることをしっかりやろうと話し合った。
今日みたいな試合ができれば、エスパルス戦でも勝てる。

三都主アレサンドロ選手(浦和)
「前半から向こうの3バックがパスを出せない状態が何回かあった。こっちのポジショニングがよかったんじゃないか。闘莉王の得点のアシストが多い? もっと決めてもらいたいですね。昨年もセットプレーの課題があったし、1試合で2点も3点も取れるようにもっとしていかないといけないと思う」
いい立ち上がりだった。前半で先制できて、気持ち的に楽だった。
前半1対0の状況は難しいスコアだが、
後半も守備の意識を強く持って、前線・中盤・最終ラインがコンパクトな状態になり、良いサッカーができた。
(1点目について)セットプレーのチャンスをモノにしなければと思っていたし、練習の成果が試合で出せた。
清水戦も勝たなくては意味は無い。今日のミスを修正して清水戦に挑みたい。


酒井友之選手(浦和)
「サテライトの試合も出てなかったから、コンディション的にかなり辛かったけど、思い切りやろうと思っていた。もっと体力があれば勝負できたと思うけど、スペースは埋められた。前半から相手に攻撃させないように守備から入った。2点目のアシスト? 攻めに絡んだのはあのくらい。得点シーンに絡めたことはよかった。攻撃面のアピールになったかもしれないけど、シュートも外していたしね。まあ、もっとコンディションがよくなってくればいいと思う」
個人的にはずっとスタメンから外れていたので、思い切りやろうと思っていた。
チームが連敗していて、悪い流れだったが、いい形で点が取れたし、
(相手が)上位のチームだったので勝ち点3は大きかった。
(今日は)立ち上がりから、うちのリズムで出来ていた。
(アシストは)相手が競ってくると思って、体を入れたら前を向けた。ファウルにならなくてよかった。
(ボールは)こぼれ気味だったが、前を見た瞬間に、達也がフリーだったので簡単に出すだけだった。
しっかり決めてくれたのでよかった。

佐藤寿人選手(広島)
「今日は前線で思うようにボールを受けられなかった。今までやっていた2トップにトップ下1枚の形から1トップ2シャドウに変わったことでしっくりいかなかったのかもしれない。今後に向けての課題が出た。自分が1トップに入ったのは仙台の時の練習試合くらい。ガウボンみたいに前線でキープするとかじゃなく、サイドに流れてプレーできればよかったけど、うまくいかなかった。浦和は守備陣もボランチも引いて守ったしね。今日はとにかくペナルティエリアに入れなかった」

森崎和幸選手(広島)
「いけなかった部分? 力の差じゃないですか。基本的な技術の差というか。ボールを止めたり、サポートしたりとか。こっちはサポートが少なかったし、前線に顔を出す回数も少なかった。ボールは回せるけど、前線の起点が全くないとか。選択肢も少なかったし。1人が裏を狙うなら、誰かが引いてきたりしないといけないのに、3トップが1列に並んでいたりした。もっと相手の嫌がる動きをしないと勝てない」




お帰りなさい。湯浅さんw

湯浅健二の「J」ワンポイント
第17節(2005年7月18日、月曜日)
レッズのサッカーコンセプトは高みで安定している・・(レッズ対サンフレッチェ、2-0)


 それにしても今シーズンのレッズは、山瀬功治を失ったことにはじまり、アルパイがリーグ立ち上がりのいくつかのゲームを壊して結局は移籍、そして今度はエメルソンと、主力をどんどん失っています。とはいっても、このゲームで証明したように、彼らの「サッカーコンセプト」は活きつづけている。前節のレイソル戦での出来がひどかったと聞いていたから(何人かのジャーナリストは、レッズは壊れかけているとまで言っていた)、ちょっと安心していた湯浅でした。

 このゲームでのレッズは、例によっての「本物の守備意識」をベースに、素晴らしくダイナミックなブレッシングサッカーを魅せました。「完敗です・・」。試合後のサンフレッチェ小野監督が、開口一番そんなことを言っていましたが、その「完敗の意味」は、もちろんサッカー内容のこと。小野さんは、「自分たちが意図するボールの動きを演出できなかった・・ボールの動かし方が弱気になってしまった・・」という表現をつかいました。要は、パサーにしても、パスレシーバーにしても、リスクへチャレンジしていくマインドを活性化できなかったということです。そして、その現象のカウンターパラメーター(反作用要素)に、素晴らしく機能したレッズのディフェンスがあったというわけです。そのことを小野さんは言っていた・・。まあ、そういうことです。

 またレッズの攻撃にしても、最初はモタついていたけれど、徐々に組織パスプレーと個人勝負プレーが高次元のバランスを魅せはじめ、どんどんと相手守備ブロックのウラを突いたシュートチャンスを演出しはじめるのですよ。やはり「個のドリブル勝負で優れた選手」を抱えているチームが、組織プレーマインドも高揚させられたら「本物の強さ」になるということだよネ。

 そんな高次元にバランスしたチームに、来月からは、ドイツ・ブンデスリーガの雄レーバークーゼンで活躍した、これまた「組織マインドと個人勝負マインドが素晴らしくバランス」したポンテも加わりますからネ(来月からプレー解禁になる)。もちろんポンテの守備意識も、本場のブンデスリーガ仕込み。楽しみじゃありませんか。彼については、2003年に「スポナビ」で書いたレーバークーゼンに関するコラムで触れました。そのコラムについてはこちらを参照アレ。