20050820 FC東京戦 データ・インタビューなど 【浦和レッズ】

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20日18時4分◇埼玉スタジアム2002◇44400◇晴れ◇全面良芝、乾燥◇上川(主)、中井、原田秀、鍋島

試合終了
浦和(9勝5敗5分) 2−1 東京(5勝8敗6分)
59% ボール支配率▼ 41%

前半5分【東京】 (左) 金沢 ↑ (中) 5m ササ・サルセード (ヘッド) → 1号
前半39分【浦和】 (中) ポンテ … (中) 9m 永井 (右足) … 4号
後半9分【浦和】 (中) 内舘 … (中) 24m ポンテ (右足) → 1号

シュート
16 合計 9

■長谷部 (4) ■鈴木 (1) ■ポンテ (1) 警告 ■今野 (3)

長谷部は次節神戸戦出場停止。




【J1:第19節】浦和 vs F東京:ブッフバルト監督(浦和)記者会見コメント [ J's GOAL ]

ブッフバルト監督(浦和):

 「今日の対戦相手であるFC東京ですが、中断期間中に調整をしてきていて非常に調子がいいと聞いていました。最初からアグレッシブに来るだろうということは想定できましたので、逆に『我々もそれに負けないくらいに最初からアグレッシブに行こう』と言いました。

 選手たちはそれをやってくれたんですが、残念ながら前半の5分のところ、ちょっとした不注意で失点をしてしまい、1-0と相手にリードされてしまいました。ただ、その後良かったのが、そこでうちのチームがそのまま自分のサッカーを続けていったこと。それでチャンスを作っていってFC東京を押し込めてしまった。そんな中で同点ゴールが生まれました。残念ながら今日も前半からもっとチャンスがあったんですが、そのチャンスを決めきれなかった。それが課題になると思います。前半につきましては、本当に妥当な試合だったと思います。

 後半に入りまして主導権を握り、最初の46分ですか、すぐにチャンスが生まれました。残念ながら多くのチャンスの中でも1点しか決められなかった。2点目の点ですが、あれは本当にポンテの素晴らしい個人技だったと思っています。その後、チャンスがいっぱいあったんですが、先ほども言いましたようにそのチャンスの中から1点しか決められなかった。そういうことが続くと最後相手に押し込まれてしまう、ということになる。

 最後は運も味方したと言えると思いますが、全体の流れを見ましたら、今日は自分のチームの選手たちに興奮してしまいました。特にロビー(ロブソン・ポンテ)とマリッチですね。彼らが加わったことによりレッズの攻撃は非常にバリエーションが増えてきたということが言えると思います。特にポンテの方ですが、スルーパスも出せますし自分自身でもシュートを打てる。それを今日は彼は実際に見せてくれたと思います。ホント、真のゲームメーカーが来たと思っています。今日は彼だけではなく、チーム全体が素晴らしい戦いをしてくれたと思います。

 ただ、今日の試合はこれから始まる厳しい連戦のまだ第一試合目が終わったばかり。明日、体を休めてすぐに次の神戸戦に集中していきたいと思います」


Q/マリッチの交代は戦術なのか。
A/そのとおりだ。FC東京が石川を入れてきて、彼らは加地と石川で得点を取っているので、アレックス(三都主)をあてて、そこからの攻撃を防ぎたいと考えた。また、守るだけではなく、裏をとっていこうと考え、交代させた。

(アフターバーにて)
昨年はセカンドステージで優勝しました。今年もナビスコカップで準決勝に進むなど、好調です。タイトルを取るために、これからも大きな声援をよろしくお願いします!






【J1:第19節】浦和 vs F東京:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]

長谷部誠選手(浦和):
 「個人としては球際に負けないように考えていた。もう少し運動量を増やしたいと思った」

 Q:ポンテ選手とのコンビは?
 「2点とも絡めた。2点目は後ろから見ててうまいと思った。エメルソンとは違う巧さがあ る。勉強になった」

 Q:先制されてゲームプランは狂った?
 「初めの何分かは、自分たちも集中力をもってやらないといけない。あれに関しては集中力がなかった。中のマークの仕方も中途半端でボールウォッチャーになっていた。1点を先に取られると追いつくのが難しくなる」

田中マルクス闘莉王選手(浦和):
 「相手が来ている分、力で押し返さないといけない。だから前半の途中から前には出て行かなかった。相手のササは(やられたのが)得点されたところだけだったので、そこまで怖くはなかった。失点シーンは、受け渡しの部分がはっきりしてなかった。何より逆転して勝てたということが、今のレッズが良いという証になっている。
 (終盤は)相手も人数を掛けていたので、押し込まれてしまった。今のレッズにとって、最後の部分で我慢できているということが大きい。
 (チャンスの起点になっていたが?)自分のフィードも最近安定してきている。皆には俺が持ったら走れといっているし、皆も前で動いて受ける姿勢を見せてくれた。これからもっと磨いて、自分のフィードが得点につながるようにしたい。(失点の場面は)内舘と平川のところでコミュニケーションが取れていなかったと思う。
 ポンテはいいですね。ゲームを作ってくれた。自分からポンテのところに行くパスもあった。そこで前を向いてくれる。今日の試合の流れを変えてくれた選手だと思う。自分からやらないと、という意識が出てきた。いい意味でモチベーションが上がってきている」

山田暢久選手(浦和):
 「ぼくらの狙い通りだったと思う。連戦の1試合目というよりはJ1再開の初戦の勝ち点3という事で、大きな意味があった。
 (最初の失点で)苦しくなったけど、永井が追いついてくれたので、あれで少し楽になった。今日は1トップ気味で、あそこ(マリッチ)に当てるのは難しかった。ただ、その分ポンテがボールをもらいにきてくれた。
 (トップ下とどっちがやりやすい?)難しいですね。監督もいろいろ考えていると思うし、そのポジションをやるだけ。マリッチはワントップ気味だったから、ボールを当てて後ろからフォローに入る形。そういう意味では(得点がない事は)気にしていない。今日とナビスコカップの清水戦とは相手が違いますし、うちはポジションは変わりますから、与えられたところで頑張ります」

永井雄一郎選手(浦和):
 「失点は早い時間帯だったので、焦らずに自分達のサッカーができた。チームとしてはいい形で勝利できたと思う。試合前から、ポンテとは「話しながらやろう」と話していた。普段の練習からも話しながらやっているし、その部分が試合でも生かされた。
 これからは勝ち点3を取ることも考えながら、良い内容も見せていきたい。僕らFWは自分達の動きを見せながら(中盤の選手に)理解してもらうのが大事。トミー(マリッチ)ともロブソン(ポンテ)ともその点で良い関係ができている。
 (マリッチとポンテの加入で)攻撃のバリエーションが増えた。今まではスピードだけだったが、今はポンテが流れを考えながらゲームを作ってくれる。それはチームにとってプラスだと思う。最後まで諦めずに、上を目指していきたい。(外国籍選手とは)なんとか合わせながらやっている。この時期に競争競争といっていると、チームはバラバラになる。個人競技ではないので、そこは気をつけている。去年優勝を逃したから、優勝しなければならないと言われる。優勝してファンと一緒に喜びたいと気持ちでやっている」

●ポンテ選手(浦和):
 「サッカーは一人でできるものではないので、チームのサポートのおかげ。チーム全体として勝てたことは良かった。ナビスコカップの清水戦よりは体力的にも良くなってきている。もっと時間がたてば良くなる自信はある。とにかくチームの勝利に貢献できて良かった。
 (逆転ゴールの)あのコースはGKにとっては一番嫌なところ。そこを狙った。みなさんに約束できるのは、一生懸命やるという事だけです
 (終了前、交代したが)試合前から痛めていた箇所に、相手のつま先が当たってしまった。たいしたケガではない。チームは最後まであきらめなかった結果、今日の結果になった。これから日本のサッカーに慣れ、さらに貢献したい。とにかく、努力して一生懸命プレーして、チーム、サポーターを喜ばせたい。」

マリッチ選手(浦和):
 「この試合で結果として2−1で勝って勝ち点3を取れたことは一番の収穫で、非常にうれしいこと。自分としてはまた水曜に駒場で試合があるので、それに集中している。長い期間の話だが、自分たちはタイトルを取ることが目的。それに向かって必死にやっていきたい。まだ日本に来て3週間という状況で、結果を出すにはまだ時間がかかる。ただ、ゆっくりとではあるが、いい兆候もある。今後はだんだんよくなっていくと思う。自分としては、中盤(で守備)をやったりといろいろな役割がある。自分ひとりが得点を決めるのと同じくらい、チームワークを大事にしている。一番大切なのは勝つ、勝つ、勝つ、ということ。」

加地亮選手(F東京):
 「なかなか上がれない状況だった。今日は守るまでは良かったんですが、そこから攻撃につなげるところでミスが出た。前の追い込みと後ろの連動性が取れなかった。メリハリもなかった。今日はやりにくいというか、守るだけだった。守りきれないと負けますよね。サイドを崩せたわけではなかった。もう一度ディフェンスの部分から意識してやらないと、いつも同じリズムでやっている感じ」

三浦文丈FC東京
 「2点目のところ、ちょうどぼくが入るタイミングだった。失点が早かったかなと思った。3点目を食らわなければなんとかなると思った。ナオ(石川)のシュートがポストに当たったが、あれが入っていれば違っていた形になっていた。再開した試合で負けるのは気分良くない。すぐに水曜日にあるので引きずらずに行きたい。味スタでは気持ちいくらいに勝ちます」


≪アレックス≫
自分が入ったのは、2シャドーの形のところ。加地の上がりも見ながらという指示だった。これから連戦にもなるし、(代表戦も含めて)この1週間で3試合目だった。これからも5試合続くので監督から今日はベンチという話だった。これからも難しい試合もあるだろうし。使いたくはないけどもしかして、ということは言っていたが自分の中では監督は絶対に使うと思っていた(笑)。ベンチに入ったときは少しでも出たい。ちょっとの時間だったけど、積極的にできたしよかった。

鈴木啓太
これから達也が入ればもっとよくなると思う。途中、ひざ蹴りが入ったのにファウルをとってくれなかった(苦笑)。もう少し取れるところで点を取らないといけないが、今は勝ちのリズムを作ることも大事。今日は中央でも突破できていたし、サイドからも仕掛けられた。次は決定的な場面でもっと決めていきたい。

都築龍太
ササはヘディングが強いと聞いていたので、サイドからのクロスに合わせるところを注意していた。5分に失点したが、まだ5分だったし、いつも通り、しっかりと守ろうと話していた。実際はそこまで相手も来なかったし、怖さはなかった。今日、1失点したが、全体の出来は満足している。ポンテもマリッチも良かった。マリッチはヘディングが強いし、キープもしてくれる。ポンテは言うまでもなく、素晴らしい働きをしてくれる。今日はゴールキックが少なく、攻撃につなげることができなかったが、今後はゴールキックから彼らを生かした流れも生まれると思う。今日は1失点しているので、そこは修正して、次の試合に臨みたい。

平川忠亮
立ち上がりの失点は、僕と内さん(内舘)の間で、マークの受け渡しが中途半端となった。失点したが、その後は落ち着いて試合ができて、立て直せた。相手DFがあれだけいるなかでのポンテのゴール。あの位置から積極的にシュートを打つ大切さが改めてわかった。これからもっと厳しい試合になるだろうが、まずは今日、勝てたことが嬉しい。

内舘秀樹
勝ち点3が取れてよかった。失点シーンは、ササが僕とヒラ(平川)の間にいて、僕が他の選手に行こうとした瞬間に、クロスがあがってきた。そのため、マークが中途半端になって、ゴールを許してしまった。しかし、早い時間帯での失点だったので、逆転できると思い、焦りは全くなかった。

坪井慶介
早い時間での失点でも落ち着いて、立て直せたのは大きな収穫。終盤、押し込まれた場面では、引きすぎていたので、もう少し押し上げて守備ができれば、楽に守れた。ポンテは相手の息の根を止めるような仕事をする。攻守の切り替えもスムーズ。マリッチもそうだが、献身的なプレーもしてくれるし、心強い味方。

犬飼基昭代表(アフターバーにて)
今日は1位も2位も負けたそうなので、やっと我々に風が吹いてきた。負けたら私が出てこようと思っていたのだが、そうすると、もう私が登場することはなくなるので…


【J1:第19節】浦和 vs F東京:原博実監督(F東京)記者会見コメント [ J's GOAL ]
原博実監督(F東京):

 「中断期間があって、ササがチームになじむようにトレーニングをしてきた。早い時間に浄(金沢選手)からのクロスを決めてくれた。ただ、まだ日本のサッカーになじんでない。早い時間に点を取ったことでズルズル引きすぎて最終ラインからマリッチ、永井に蹴られ、ポンテにつききれなかった。

 前半は、ササが下がらずに、どこにいればいいかわかっていなかった。またポンテのつかみ所がわからず、梶山も良くなく、どこに居ていいかわからないという状況だったので代えようと思った。そこでポンテにやられた。
 ササをうまく取り込む必要があるが、ルーカスとのコンビはまだダメ。途中から今までの形にもどしてナオ(石川選手)をいれてサイドも使えるようになった。最後のチャンスを入れられずに悔しい。ササをなじませる事。蹴るだけではダメ。水曜の試合に向けて頑張りたい」

Q:浦和は変わっていましたか?
 「田中達也、エメルソンもいないということで、変わってきている。マリッチポストプレータイプでポンテを活かす戦い。ナビスコカップでも片鱗が見えたが、今日の方が整理できていた。ポンテは捕まえにくかった。明らかに前とはサッカーが変わっていた。
今野が奪えた後に、梶山が上るという形を作りたかったが、梶山はどこにいていいのかわからない状況だった。それが敗因の一つ」

Q:FC東京と浦和とでは選手の力は代わらないと思うが。
 「後手に回ってしまった。早い時間帯に1点を取れて慎重になってしまい、後手後手になってしまった。ササとの信頼関係もまだまだ。ディフェンスのことも言ってるが、前に残ってしまう。そこら辺のコンビネーションがまだだった」




湯浅健二の「J」ワンポイント
2005年Jリーグの各ラウンドレビュー
第19節(2005年8月20日、土曜日)

ポンテによって仕掛けの幅が広がる!?・・(レッズ対FC東京、2-1)


 さて、これでポンテが仕掛けイメージのコアとして機能できることが証明されました。次に、その縦のパートナーとして機能すべきマリッチですが、そのパフォーマンスはまだまだといったところでした。とはいっても、私がドイツで観た以前のフォームに戻れば、確実に大きな「仕掛けイメージのコア」になると確信しているけれどネ・・。

 ギド・ブッフヴァルトは、前線の三人を固定せず、(全員に最前線からのディフェンスを要求していることも含め)流動的にプレーさせたいらしい。もちろんそれは正しいイメージだと思います。この試合でも、頻繁に、ポンテと永井、そしてマリッチが前後左右にポジションを入れ替え、それがうまくハマる場面も多々ありました。とはいっても、やはり最前線の「メイン・ポスト」はマリッチでしょう。でもこの試合では、ヘディングで勝てたシーンは希だったし、縦パスを受けて「しっかりと待つ」というプレー(要はポストプレー)にも難がありました。だから、ちょっと仕掛けがギクシャクした・・。まあ、マリッチも、もう少し時間が必要ということです。でも、ゲームのなかでプレー内容を高揚させられるだけのベーシックパフォーマンスは発揮できていますよ。楽しみです。

 とにかく、ギド・ブッフヴァルトが言うように、この二人の加入で、レッズの攻撃イメージに「幅」が出てきたことは確かです。仕掛けイメージのリーダーとポストプレイヤー&ゴールゲッター・・。永井や田中達也にとっても、マリッチの加入はものすごい刺激ですよね。今日はマリッチと永井のコンビを魅せてもらったけれど、早く、「衛星・激烈ドリブラー田中達也の復帰を望みますよ。ポンテとマリッチに活かされる「勝負ドリブル」。早く見てみたいよね。