20050924 マリノス戦 データ・インタビューなど 【浦和レッズ】

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◇24日15時6分◇埼玉スタジアム2002◇49800◇雨◇全面良芝、水含み◇扇谷(主)、名木、下村、東城
浦和
(11勝6敗8分)0−0 横浜 (8勝8敗9分)
44% ボール支配率 56%

13 シュート 11

■ネネ (2) 警告




【J1:第25節】浦和 vs 横浜FM:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]

マリッチ選手(浦和)
 「コンディションはもう100%の状態。10日程度休んだが、もう大丈夫。次からはもっとチームを攻撃的にしていく必要がある。
 (前半ベンチから見ていて)浦和に挑んでくるチームは120%の気合いで臨んでくるが、横浜FMも浦和も両方いい内容の試合だったと思う。チャンスはあったのでもっと前へいくことが重要。ただ今日の試合はもう終わったことなので次へ向かいたい」

 (骨折部分は)試合前から心配していない。
チームを助けるためにプレーする事だけを考えていた。フェイスガードをしている事すら忘れるくらいに。浦和の優勝のため、全力を尽くす。
マリノスの印象……。マリノスでなくても浦和に対してはどこも120%で挑んでくる。

長谷部誠選手(浦和)
 「個人としてはもっと攻撃に絡もうと思っていたが、奥がトップに近い位置で左右にはったりしていたので、そのケアに気を遣った。そういうところで運動量を使ってしまった。うちの特徴として速い攻撃があるけれど、もうちょっと後ろでつないで厚みのある攻撃をやっていいかないといけないし、決定力をあげないといけない」

堀之内聖選手(浦和)
 「勝つことができず悔しい。勝って、夜の試合(G大阪×鹿島)にプレッシャーをかけたかった。今日は相手2トップがウラに速いというのがわかっていたので、そこを警戒していた。今日のピッチ状態(雨ですべりやすい)を考えると、ディフェンスラインを高めに保てば後ろはすべると思っていた。サイドからアーリークロスがいいチームなので、今週はいいボールが上がっても中で抑える練習をしていた。練習どおりにでき、今週は練習が活きた。セットプレーは高いし強いし、スクリーンプレーとかもしてくるし、脅威だった。0失点は次につながるし、いいとは思うが…。
ナビスコカップもリーグも両方とも半端にならず、一戦一戦大切に戦いたい」

 自分的にはミスはなかったが、チームが勝てなかった事が、チームとしても自分としても厳しい。ただ、まだ終わってはいない。
 (相手の2トップは)ツボ(坪井)と話しながら、しっかりと対処できたし、決定的なシーンはほとんど作らせなかった。
 天候も考えて、高めにラインを設定しておけば、裏に出されても、ボールが滑って追いつけないと思っていた。

鈴木啓太選手(浦和)
Q:ボランチの前のスペースを使われることが前半多かったが?
 「そこはハーフタイムで話し合って、フォワードにそこを閉じてもらうようにした。後半は修正できていたが、F・マリノスはまた違うサッカーをしてきた。試合自体にはいい入りだったと思う。どっちが勝ってもおかしくない試合だった。お互いにいい部分を出したし、消そうとしていた試合。感覚としては勝ち点2を失ったという感じ。相手もそうだと思うが、お互い悔しい試合だと思う。ここ最近のF・マリノスって、こんないい試合していたかなって。攻撃に関しては連動性がほしかった。サイドにもっと展開できれば…。速い展開で山田とかを使ってあげられればよかった」

 お互い良い部分を出せたし、お互いが良い部分を消しあっていた。
フィニッシュの場面を除けば、ゲーム全体を見て、良いゲームだったのでは。
勝てなかった事は残念だが。どちらかというと、勝ち点2を失った試合。
僕らがもっと良いプレーをしなければいけなかった。
 (攻撃では)もう少し、アレ(三都主)やヤマ(山田)を早い段階で使えばよかったのかな。真ん中に意識が集中していた。
 ボランチとしてはサイドが空いているのが分かったので、落としてもらえれば展開することは出来た。
 前半、達也に出したようなスルーパスみたいな場面がもう少し必要だった。
 中からと外から攻める比率を均等にとは言わないが、もう少しバランスをとっていく事が必要だ。勝ってガンバや鹿島にプレッシャーをかけたかった。


山田暢久
今日は、何回か中から外に出してチャンスを作る機会があった。むこうもプレッシャーが早くて、なかなか思うような攻撃はできなかった。中から外に出して、サイドから攻めるという事を狙っていたわけだから、その点では上手くできたのではないか。マリノスは、うちとやる時はいつもと違う。守備の面で一番怖かったのはセットプレー。危ない場面を作られてしまった。ナビスコ杯もあるけど、1つ1つ勝っていくだけ。

都築龍太
前半の最初は良い形だったが、途中から相手にセカンドボールを取られ始め、うちもうちでクリアが短く、それも(取られていた)……。今は(どこが相手でも)全部勝つつもりでやっているので、今日は勝ち点2を失った試合だったと言える。だけど、この1ポイントがあとで活きるように、次のセレッソ大阪に勝つ。そのために頑張りたい。

坪井慶介
どう相手とぶつかったかは分からない。気づいたら、ぶつかっていた。脳しんとうだと思う。痛みはないけど、頭がボーっとする。記憶は残っています。

≪ネネ≫
相手にチャンスを与えなくても、セットプレーに強いチームだし、警戒していた。個人的には守備の人間だし、点を取られなかった事は今後の自信になる。全体として、最初の10分間は前に行ってプレスをかけていったが、90分間続けるのは難しいので、少し引いてカウンターを狙っていった。点さえ取れれば、勝てた試合だった。

三都主アレサンドロ
ほとんどボールに触る事ができずに、悔しい。中央突破がうちのチームの攻撃なので、サイドの選手としては守備にまわされる事が多い。さみしい。仕事していない感じで、(気づいたら)ベンチにいる。さみしいけれど、まぁ……。(自分の動き方に)迷っている。守備、守備で前に行ってもボールが出てこない事が多いし、それで前に行ってボールが出てこなかったら自分の裏を狙われる場合が多い。全体の意識が変わってこないと光っていかない。今日みたいに守備に強く、高さもあるチームを相手にサイド攻撃が少ないと個人技でしか対応できない。僕だけかみ合っていない感じ。左で蹴れるのは僕とネネだけなので、自然と右へ右へと流れる。仕方がない事だけれど……。

田中達也
マリノスの守備は予想どおりだった。だけど、去年の方が良かった印象がある。今日は、永井さんと僕のところにボールがなかなか入ってこなかった。それでも、チャンスはあったし、決めなければいけない。満足する事は出来ないが、強豪が相手だし……。次は絶対に負けないように戦いたい。

平川忠亮
自分が起用されたのは0対0で、残り20分ぐらい。そこで攻め急いで(カウンターで)失点したら流れを引き戻すのは厳しい。まずは守備の意識でピッチに入った。そして、チャンスがあれば相手の裏を取る事をイメージしていた。なかなかボールは出てこなかったが、途中から入る選手は、たとえボールが出てこなくても思いきりガァーッと走る事でパスコースが1つでも増やせればいいと思っている。マリノスは良いチーム。だけど、いくらマリノスが相手でも勝ち点3を取るのが大事で、はっきりと言って今日は勝ち点2を失った。どのチームが相手でも勝つ事しかないんだから。


【J1:第25節】浦和 vs 横浜FMブッフバルト監督(浦和)記者会見コメント [ J's GOAL ]

ブッフバルト監督(浦和):

 「今日の試合の前提条件としてわかっていたことは、横浜FMがいい状態でやってくるだろうということ。というのは横浜FMと浦和、この試合は特別な意味を持つし、横浜FMは本来の位置(順位)にいるとは思えず、この試合で本来の力を見せようというのが見えた。今日の試合は、非常に難しい試合になるなと予想していたし、横浜FMが非常にモチベーションが高いということも想像できた。
 今日はお互いに前にいきたいというところを消しあい、中立的な試合になってしまった。中盤での攻防、いったりきたりが多くなるだろうと思い、結果的にそうなった。90分を通してお互い堅いディフェンスの中で当然チャンスも何回か両チームにあったが、我々からしてみれば残念ながら入らなかったと言うことになる。拮抗した試合で、結果については妥当な結果だったのではと思う。
当然勝ち点3が必要だったし欲しかったが、残念ながら1しか取れなかった。これは次のセレッソ戦で取っていきたい」

Q:闘莉王と坪井が不在になったが、この2人がいないことについて。
 「2人がいないのがマイナスになるのは当たり前だが、闘莉王というのはうちの選手のなかでディフェンスだけでなくビルドアップのときも必要だし、チームを象徴するような人間。こういう選手がかけるのは痛い。坪井に関しても日本代表で、日本のディフェンダーの中でベストの選手の1人。このようなレギュラー格が抜けるのは痛い。
内舘については、途中出場はやりにくいとは思う。ただ、これまでの中で内舘がどれだけのプレーができるかは見せてくれているし、(彼の)入り方は悪かったかもしれないが、次第に集中力を出してくれていたと思う」

Q:ポンテを封じられた際の対策は?
 「ポンテは6ゲームで4得点、さらには4、5点アシストもしている選手なので、マークされるのは当然。相手もうちの試合を分析しているわけだから、こいつは危ないとマークされる。ただ、ポンテだけでなく11人でサッカーをしている。確かに彼の今日の出来はそんなに素晴らしかったとは言えないが、2週間アキレス腱の痛みを抱えているとか、ふくらはぎの故障を抱えているということで練習もなかなか全部できなかったということもある。ナビスコカップを入れて7試合をやって、多くの点を挙げている選手にそう代わりはいない。Jリーグ全体を見ても、これだけ少ない試合で点を挙げている選手は少ないと思う。アラウージョG大阪)はもっと挙げているかもしれないが、昨年から日本でやってるし比較にはならない」

〜坪井選手の状態について〜
今言えることは、脳震とうを起こしていること。ムチウチもある。また他にもあるようなので、今は何ともいえない。

〜残り9試合となりましたが〜
残りゲーム数が少なくなれば、追いつく事は難しい。勝たないと勝ち点は縮まらない。上を見ていても仕方がない。我々にできることは、目の前の試合を見て、取り組むこと。大分戦の敗戦で一度は優勝の芽がなくなったと思ったが、再びチャンスは訪れた。今日の試合の結果では、(優勝に)近くなったのか、遠くなったのか分からないが、色々考えても仕方がない。セレッソ大阪戦に向けて勝つだけだ。


【J1:第25節】浦和 vs 横浜FM岡田武史監督(横浜FM)記者会見コメント [ J's GOAL ]

岡田武史監督(横浜FM):

「今日は非常に激しい試合になるだろうと、気持ちの面で負けるなといって始めたんですが、選手たちは非常にポジティブにアグレッシブなサッカーをしてくれたと思う。内容に満足してはいるが、点を取るチャンスがあったのに取れなかった。ただ、ここ何試合か選手たちがイキイキしてなかったのだが、今日はすごくイキイキしていたのが救いかなと思う。あと、ようやくマグロンが使えるようになりうれしい。このあとも1試合1試合、勝つためにベストを尽くしていきたい」

Q:レッズの攻撃対策はあったのか?
「特にレッズだからといって言ったことはない。いつものうちのとおりにコンパクトに保ち、こちらからプレスにいくということを言っただけ。途中うちの右サイドからの攻撃が多く、相手の左サイドの球出し、ネネのところを抑えるようにとは言ったがそれ以外に特にはない」

Q:今日はパスがつながっていたが。
「ずっとやっているが出来なかっただけ。ここのところコンディションが落ちていたのが確実に上がってきたのはひとつの要因。中央でつなぐ、プレッシャーがきつい時は、外からあるいはディフェンスのウラを狙おうというシンプルなこと。今日は相手より中盤が特に前半走れていたのでつなげたと思う。後半はマグロンが少しへばって1枚足りないような状況になってしまったが、それでもよくやったと思う」

Q:攻めきれない理由は?
「前半に関してはある程度崩してチャンスもできていた。ラスト1/3に入ってスピードが上がらないのと、もっと積極的にシュートを狙うなり打つなりすればいい場面でヨコパスが入ったりしたのが課題だと思う」

Q:無失点ですが?
「無失点でいこうと言って試合に入っているのではなく、点を取ろうといって入っているので…。ただここまでの無失点と今日のはちがうと思う。ここまでは相手がチャンスを外してくれていたりしたが、今日はシュートを打たせても体を寄せていたり、3バックが…まあ全体にいいディフェンスをしたと思う」




湯浅健二の「J」ワンポイント
第25節(2005年9月24日、土曜日)
ゲームコンテンツがまったく違う二つの引き分け・・(レッズ対マリノス、0-0、ガンバ対アントラーズ、3-3)


 昨シーズンは最大のライバル同士。また今シーズンも、前期の対戦では、この試合とまったく同じような展開から、最後はレッズが決勝ゴールを奪って逃げ切ったという背景もありますからね。マリノス選手たちの闘うマインドが高揚するのも道理です。

 それにしてもマリノスの守備ブロックは強い。まあそれは、チームの気合いが乗ればのハナシらしいけれど(岡田監督の発言を拡大解釈!)、この試合では、岡田監督も指摘しいてたとおり、新加入の守備的ハーフ、マグロンがうまく機能しはじめているという側面もありそうです。守備でも攻撃でも、なかなかスマートなプレーを魅せます。ちょっとスタミナに課題がありそうですが、これで、運動量とボール奪取勝負メカニズムでの貢献度が上がり、次の攻撃でもしっかりとしたゲームメークができるようになったら、彼には、日本サッカーでは数少ない「本物のボランチ」という称号を欲しいままにしてもらいましょう。

 またレッズでは、緊迫したゲームだからこそ、トゥーリオの不在が目立っていました。彼の欠場によって、最後尾から伝播していくリーダーシップという心理的なプッシングエネルギーが失われただけではなく、ヘディングという物理的なマイナスも明確に感じられたのです。前半の(中澤の!?)惜しいヘディングシュート。また後半に何本もあった、セットプレーからの大きなピンチ。それは、レッズが制空権を握れなかったためですが、その背景に、トゥーリオという「リーダーシップと強力ヘディング」が欠けていたことにあったのは誰もが認めるところだと思います。

 たしかにレッズも着実なサッカーを展開したし、(田中達也や長谷部のシュートなど)何度か決定機を作り出したけれど、あのようなゲーム展開になったという視点で、全体的には、勝負の流れはマリノスに分があったとするのがフェアでしょうね。とはいっても、マリノスが「あの決定的チャンス」を外しつづけたことで、「勝負の流れ」が今度はレッズに傾きはじめたと感じたけれどネ(そのシンボルが田中達也が終了間際に放った決定的シュートだった・・!?)。ホント、サッカーは面白い。


 レッズ対マリノスと比べ、ガンバ対アントラーズ戦での選手たちは、明らかにより攻撃的でした。いや、タイミングよく両チームのゴールが入ったことで、自然と両チーム選手たちのマインドが高揚していったといった方が正確な表現かもしれません。最終勝負シーンに絡んでいく人数にしても、そこで繰り広げられるリスクチャレンジプレーの内容にしても、レッズ対マリノス戦を大きく凌いでいる・・。要は、攻守の切り替えの早さと絶対的な運動量において、レッズ対マリノス戦を大きく上回っていたということです。いやホント、ものすごくエキサイティングで面白いゲームでした。それも、こちらはテレビ観戦ですからね。スタジアムの興奮はレベルを超えたものだったに違いありません。

 私は、いまの「J」では、ガンバが、もっとも魅力的で、勝負強い優れたサッカーを展開していると思っています。フェルナンジーニョアラウージョ、そして大黒で構成する最前線のトライアングル。それを後方からサポートするだけではなく、多くのケースで「彼らをうまく利用して、自分たち自身が決定的クロスやシュートまでいってやろう」と虎視眈々と狙っている、遠藤、二川、松下、橋本のミッドフィールダーたち。彼らのサッカーでは、美しさと勝負強さ、安全とリスクチャレンジ、組織プレーと個人勝負プレー・・等々、さまざまな背反ファクターが高い次元でバランスしていると思いますよ。西野監督は、よい仕事をしています。

 さてこれで、「降格リーグ」だけではなく優勝争いも面白くなってきた。良かった・・。