レッズ三菱自動車の割り当てを50→30パーセント。地元資本に転換へ。【浦和レッズ】

埼玉新聞WEB
地域密着より強く 「100年構想」実現へ レッズ雑記帳
http://www.saitama-np.co.jp/news10/19/06r.htm


 浦和が5億円の第三者割当増資を計画し、クラブの筆頭株主である三菱自動車の出資率(50・6%)を30%台に引き下げることを検討している、との一部報道が18日あった。

 浦和は1992年から、クラブの赤字を三菱自動車に引き受けてもらう「損失補てん契約」を交わしてきたが、本年度からこの契約を解除し、経営面での自立を掲げた。

 増資計画はその延長線上にある。親会社からの脱皮を図るとともに地元企業の資本比率を上げ、「おらが町のチーム」への移行を目指している。

 浦和・犬飼基昭社長の持論はこうだ。「レッズはサポーターのもの。支えてくれるサポーターに喜びを還元するのがわれわれの使命」。有言実行が形になって表れている。

 還元するのは有形無形。常に優勝を争う強豪チームに育てることや、Jリーグの理念である地域密着を具現化した総合スポーツクラブ「レッズランド」の建設などがいい例だ。

 そのためには運転資金が必要だ。損失補てん契約を解除したことでクラブには金がなくなった。選手の獲得や育成にはいつでも自由に回せる金がいる。新たなアイデアをみつけても実行するには金がいる。

 浦和が今回、三菱自動車に第三者割当の増資を依頼した背景がここにある。犬飼社長は「銀行に資金提供してもらえるわけではないし、内部流用できる資金がないといけない。経営者として当然のステップを踏んだまで」と説明した。

 浦和の資本金は1億6000万円。このうち三菱自動車が8100万円を出資し、残りは埼玉県とさいたま市の各800万円をはじめ、地元企業などが出資している。

 18日のJリーグ理事会では増資検討の新聞報道が話題になり、Jリーグクラブの理想の方向性との意見が飛び交ったそうだ。

 Jリーグの鈴木昌チェアマンは「市民チームへの脱皮はウエルカムですね」と歓迎の意向。埼玉県の上田清司知事はこの日の定例会見で「地域チームの姿勢がより強くなるほど、さいたま市と埼玉県のアピールにつながる」と述べた。